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2020年7月6日
二極化はますます拡大する
【鈴木一之の負けない株式投資】二極化はますます拡大する
◎日経平均(3日大引):22,306.48(+160.52、+0.72%)
◎NYダウ(2日終値):25,827.36(+92.39、+0.35%)
鈴木一之です。熊本を中心に九州地方がまたもや記録的な大雨に襲われました。7月に入ったばかりでこれほどの集中豪雨の被害です。テレビで報じられる映像は悲惨な状況を伝えています。一日も早い復旧を願うばかりです。
株式市場は今週も神経質な状況を余儀なくされました。世界的に新型コロナウイルスの感染者の拡大が続いています。
今週のマーケットにおいて最大の見どころは、マザーズ市場が値崩れしなかったことです。木曜日にいったん値崩れを起こしかけたので、かなりヒヤリとしたのですが、金曜日まで尾を引くことはありませんでした。
今週の週初の動きが重要なのですが、マザーズ市場はここまで猛烈な上昇を遂げており、個人投資家も機関投資家もたっぷりと利幅を取っています。したがって少々の下落ではびくともしません。
まだ決着はついていないのかもしれませんが、マザーズ市場が今週もそれなりに安泰でいられるのならば、現在の極端な二極化相場はまだ継続するものと見られます。
それと同時に、どこでバリュー株へのスイッチが行われるかが重要です。下値は固まりつつあるように見えますが、バリュー株のきっかけをつくるカタリストが必要です。5月末と同じようにそれは長期金利の上昇なのか、それとも決算発表によるサプライズなのか。
それがさらに次なる物色への手掛かりとなりそうです。東京応化工(4186)、フジミインコ(5384)、アルコニックス(3036)、図研(6947)、eガーディアン(6050)、オムロン(6645)、よい銘柄ばかりが買われます。
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ブラジルを筆頭にアフリカ、中東など新興国は以前として厳しい状況です。しかしそれ以上に心配なのが米国です。7月1日の時点で全米での感染者数(7日間の移動平均)は41,879人となり過去最高記録を塗り替えました。
全米規模で経済活動が再開されていますが、再開の基準に達していない地域でも再開に踏み切るところが出ているようです。特に感染者数の多いのが南部のフロリダ州と西部のアリゾナ州、中西部のイリノイ州、ミシガン州です。いずれも経済活動や航空・物流の中核都市であるだけに影響は米国のみならず世界に及びます。
週末に独立記念日の休日を控えており、例年であれば夏の始まりを兼ねたパーティーや記念イベントが数多く開かれます。それだけに感染の再拡大につながるとの懸念が週を通じてマーケットを覆っていました。
欧州ではフランスとイギリスが日本からの渡航を再開するとの意向を示しましたが、その日本でも感染者数が徐々に増えています。東京では7月2日に107人の感染者が確認され、2か月ぶりに100人の大台を超えました。その後も週末に向けて1日の感染者数はさらに増加しています。
いつ東京都から緊急事態宣言の再発令が出るかと、こちらも身構えていますが、現時点では小池都知事はその段階ではないと事態の推移を見守っているところです。実際に追加の休業補償や給付金の支給、外食店、小売店の実情などを考慮すると、簡単には都市封鎖、外出自粛の要請を発令できる状況ではないことも事実です。
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舞浜の東京ディズニーリゾートは4か月ぶりに再開されました。まだ入場が大幅に制限されてはいるものの、着実に日常生活が戻ってきています。
その一方で経済統計は厳しいデータが並んでいます。月が替わったので先月末に発表された5月分の有効求人倍率は1.20倍となりました。前月比▲0.12ポイントの低下となり、下落幅としてはオイルショックのあった1974年1月以来、46年4かカ月ぶりの大きさに達しています。
都道府県別では北海道、神奈川、沖縄など7つの道県で1倍を割り込みました。少子化によって慢性的な人手不足と言われましたが、それが足元で揺らぎつつあります。
雇用に関しては米国でも6月の失業率が発表されました。こちらは5月の13.3%から大きく改善して11.1%と判明しました。2か月連続して予想を上回る改善を示しています。非農業雇用者数の伸びも+480万人の増加となりました。
市場の話題を集めたニュースをもう二つほど。ひとつは米下院が中国に向けて、香港の自治を脅かす「国家安全法」を制定したことに対して、中国の共産党員や金融機関への制裁につながる「香港自治法案」を可決した点です。
上院でも可決されてトランプ大統領が署名すれば同法案は正式に成立します。中国は他国からの干渉をことのほか嫌うために、米中対立が一段と激化しかねないとマーケットは警戒しています。
もうひとつはテスラの株価が上場来高値を更新し、時価総額が22兆円に達して世界一のトヨタ自動車を抜き去ったことです。エコカーの普及促進、ESG投資の拡大、NASDAQの連日の史上最高値更新、技術革新の担い手の主客交代など、ここから派生する話題には事欠きません。
株式市場は上値は新型コロナウイルスの感染拡大が抑えており、一方の下値は大規模な金融・財政政策ががっちりと固めていて、上にも下にも動けない状況です。そのどちらかにブレイクするタイミングがどこで来るのか、次第に煮詰まり感を増しているようです。
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先週の東京市場は、TOPIXが続落しました。下落率は▲1.59%に広がり、前の週よりも下げ圧力が強くなっています。
マーケット全体に漂っていた相場の過熱感はさらに一段と冷めました。騰落レシオ(25日移動平均)は木曜日には80%台を割り込み、79%に低下しています。サイコロジカルラインも「4」に達した後、現在は「6」のニュートラルな水準です。
物色動向は大型株の軟調さがいよいよ小型株市場にも波及してきました。東証マザーズ指数は12週連続で上昇していましたが、これがようやく下落に転じました。週半ばにはかなり大きめの下げがマザーズ上場の各社で見られました。
セクター別では、東証1部のTOPIX-17業種のうち、すべての業種が値下がりしました。このような現象は3週ぶりのことです。
下落が目立っているのが「医薬品」です。前の週に最も大きく上昇していただけに、反動安の動きが強まりました。
それに続いて「運輸・物流」が下げています。電鉄株が引き続き売り込まれています。その一方でヤマトHD(9064)、SGホールディングス(9143)などの宅配便関連は堅調な値動きを示しました。
このほかにも「不動産」、「小売」など新型コロナウイルスのマイナスの影響が大きいと見られる内需セクターの一角に下げが目立っています。
反対に比較的下げの小さかったセクターは、「機械」がトップでした。SMC(6273)、キーエンス(6861)が
(後略)