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2019年10月7日
世界景気の後退が目前に迫る、その瀬戸際
◎日経平均(4日大引):21,410.20(+68.46、+0.32%)
◎NYダウ(4日終値):26,573.72(+372.68、+1.42%)
鈴木一之です。10月第2週が始まります。2月決算企業の中間決算が本格化します。香港は本当に無事に解決するのでしょうか。
「百万ドルの夜景」を誇るこの国の騒動の結末はいったいどうなるのでしょう。10月1日の国慶節を終えた中国は、香港の今の問題にここから本腰を入れてくる可能性があります。自由な選挙を求める香港市民に今後も声援を送り続けたいと思います。
ただ、振り返って今の日本では、自由な選挙が行われていることになっているのですが、政権選択が簡単にはなされないだろうというあきらめに近い気持ちが支配しています。首相の在任記録が戦後最長を更新しそうなわが国が、実際のところ、与えられた自由をほとんど行使していないような気になります。
地球環境問題も気になります。台風19号が南の海上に発生しました。10月なのに記録的な暑さです。グレタ・トゥンベリさんの声に耳を傾けて、もっと熱心に地球環境問題に取り組まなければなりません。
先週から始まった10月相場は、週半ばに大きな出来事が長け続けに起こりました。それに伴って株価は久しぶりに大きく下落しました。その要因のいくつかを列挙してみます。
(1)米国の景気動向
ついに来たという印象で、米国市場が大きく揺さぶられました。
10月1日に発表された9月分の米国、ISM・製造業景況感指数は、10年6か月ぶりの低水準に達しました(47.8)。各国共通の「製造業リセッション」です。前月に続いて「50」の分岐点を割り込み、しかも事前の市場予想(50.1)を大幅に下回っています。
この発表を受けて米国市場では株価が急落、為替市場ではドル安・円高が106円台まで進み、再び長期金利の低下が鮮明になりました。
警戒された週末の米・雇用統計ですが、こちらは逆に発表後から株式市場には安心買いが広がりました。
発表では、9月の雇用者増は+13.6万人、平均時給は+2.9%、失業率は3.5%となりました。
雇用者増は市場の予想を下回っています。しかし前月(8月)が上方修正されたため、株価は上昇しました。失業率は3.5%に低下しており、1969年12月以来の低い水準です。これでは雇用を増やそうにも、人手不足で簡単には進みません。綱渡りの状態ですが、これをもってして不景気突入とは、まるで説得力がありません。
(2)9月の金利上昇から一転、長期金利は再び低下へ
(後略)