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2024年2月13日

日経平均は週末に37,000円に到達、昨年来高値を更新

鈴木一之

能登半島地震で被害に遭遇された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

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鈴木一之です。日経平均は金曜日のザラ場中の高値で37,000円の大台を突破しました。記録と記憶に残る水準をまたもや更新しました。

あちらこちらに「短期的な調整局面やむなし」と書いて発表したばかりですが、とんでもありません。日本株の上昇エネルギーは健在で、あっという間に上昇を再開してきました。

これをオプションSQに関係する動きと見ることもできそうですが、TOPIXコア30指数は3日続伸して高値を更新しているので、日経平均だけの動きというわけでもありません。いつ調整が入ってもおかしくない株価水準にあるのですが、そういう時はなかなか下げないものです。楽観はもちろんできませんが。

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株価上昇の原動力となっているのは2つあり、ひとつは米国市場の堅調さです。生成AIブームの中心に君臨するエヌビディアが連日のように史上最高値を更新しており、とうとうエヌビディアの年初からの上昇率は+50%近くに達しました。

ここから半導体関連株が軒並み上昇しており、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、スクリーンHD(7735)などが、またもやそろって上場来高値を更新しています。

先週末はソフトバンクG(9984)が加わりました。ソフトバンクGは英アーム社の筆頭株主で、株式の9割を保有しています。そのアームが10-12月期の好決算を発表し、株価が時間外取引で+20%も上昇しました。

これによってソフトバンクGが突き動かされて、週末にかけて株価が急騰しています。日経平均が記録的な高値をつけるには、やはりこの銘柄の力が働かないとならないようです。

ソフトバンクG自身も10-12月期の決算を発表し、最終損益が9500億円の黒字となりました。実に5四半期ぶりの黒字です。生成AIブームの中核にいるソフトバンクGがいよいよ動き始めたとの期待も高まります。

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ふたつめの要因が好調な企業業績です。ソフトバンクGが週後半のヒーローとすれば、週前半のリード役はトヨタ自動車(7203)です。

火曜日の午後13時半にトヨタ自動車が10-12月期の決算を発表し、第3四半期の純利益は前年比2.1倍の3.9兆円に引き上げられました。これまでソフトバンクGが持っていた3.5兆円の記録を更新して史上最高の利益見通しとなっています。

トヨタ自動車は合わせて通期の業績見通しを上方修正し、純利益が+84%増の4.5兆円になると明らかにしました。これまでの予想を+5500億円も上回っていますが、得意とするハイブリッドカーが売れており増額余地はまだありそうです。ダイハツの販売減少分を補って余りある、驚くべき強さを発揮しています。

トヨタばかりではありません。どのセクターからも飛び抜けて強い企業が現れています。三菱重工(7011)は第3四半期の純利益が前年比2.1倍の1380億円になり史上最高を更新しました。好決算に合わせて株式の10分割を発表しています。

同様に三菱商事(8058)は第3四半期の純利益は▲27%減の6966億円ですが、前年が好調過ぎた反動が大きくほぼ予想どおりの内容でした。決算発表に合わせて5000億円の自社株買いを明らかにして株価が急騰しました。

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このほかにもホンダ(7267)が今通期で過去最高に迫る9600億円の純利益の見通し(+47%)を発表し、スバル(7270)も通期の純利益が3400億円(+70%)になると増額修正を発表しました。為替市場の円安もありますが、自動車セクターの挽回生産が着実に広がっており、それを米国の旺盛な個人消費が吸収しています。

富士フイルムHD(4901)も第3四半期で1737億円(+13%)の純利益になるとの見通しです。決算期を変更したニトリHD(9843)も第3四半期の純利益は685億円と実質的に増益を維持しました。

米国では金利上昇の弊害とコロナ後の在宅勤務の広がりで、商業用不動産の厳しい状況が折に触れて指摘されています。先週も地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープの株価急落がマーケットをおびやかしましたが、それと同時進行でNYダウ工業株やS&P500が史上最高値を更新しています。

ネガティブな部分と楽観的な部分を合わせ持ちながら、マーケットは新しい資金を次々に呼び込み上昇基調を続けています。こうなると行き着くところまで行くのが相場の常です。強弱感を伴いながら高値更新を続けることになりそうです。

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先週の東京株式市場は、TOPIXが続伸しました。上昇率は+0.72%にとどまり前の週の+1.68%と比較すると小さなものでしたが、前回高値というフシ目を抜けています。

規模別では、大型株(+1.50%)だけが上昇し、中型株(▲0.69%)、小型株(▲0.90%)はどちらも軟化しています。スタイル別でも、大型バリュー株の上昇が目立っており、小型株はバリュー株、グロース株ともに下落しました。

騰落レシオは、過熱圏とされる120%の水準を上回っていましたが、週末は104.91%に低下しています。今年に入って最も低い水準です。日経平均のサイコロジカルラインは「7」から「8」にとどまっています。

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TOPIX-17業種のセクター別騰落は8業種が上昇して、9業種が値下がりしました。

値上がり上位のセクターは「自動車・輸送機」です。それに続いて「不動産」、「金融(除く銀行)」となりました。

「自動車・輸送機」は言うまでもなくトヨタ自動車(7203)の上場来高値更新が効いています。それに加えてデンソー(6902)、マツダ(7261)、ホンダ(7267)、スズキ(7270)も一斉に上昇しました。

ただし好調な自動車セクターも全面高というわけではありません。日産自動車(7201)、三菱自動車(7211)、日野自動車(7205)あたりは軟調な動きにとどまっています。

同じセクターでも、銘柄間の株価動向がはっきりと分かれているのが今回の上昇相場の大きな特徴です。このあたりは企業ごとにDXの進捗状況や、コロナ後の経営戦略の違いが株価の差となって表れています。

値上がり第2位の「不動産」、第3位の「金融」でもそのあたり辺の動きは同じです。ごく一部の大型株に資金が集まっており、今回の上昇ラウンドではそれが特に顕著に見られます。

値下がりセクターの上位は「電機・精密」、「電力・ガス」、「運輸・物流」となりました。

「電機・精密」は半導体関連株の上昇が続く一方で、オムロン(6645)のストップ安に見られるように設備投資関連株の動きが依然として不安定です。安川電機(6506)、ニデック(6594)、シャープ(6753)が軟調な動きに終始しました。

このところ堅調だった電力セクターや電鉄、海運株も総じて下げムードに変わりました。セクター間の循環物色の動きが強まっています。

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決算発表も佳境を迎えています。好調な企業業績に支えられて自社株買いや増配の発表も増えていますが、それと同様にMBOやTOBによる上場廃止の動きも活発化しています。

昨年に続いて今年もMBO、TOBが相次ぐ気配が濃厚です。先週はローソン(2651)に対してKDDI(9433)がTOBを実施することが明らかになりました。さらに週末には

(後略)

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鈴木一之