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2025年1月28日

トランプ政権が正式に発足、日経平均は4万円を一時突破

鈴木一之

鈴木一之です。全世界が注視する中で米国の大統領就任式が挙行されました。いよいよ「トランプ2.0」の世界が始まります。凶と出るか吉と出るか、世界中が見守っています。

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これほど注目を集めたイベントも珍しいように思います。株式市場だけでなく、世界中のあらゆる人、著名人も名もなき人も先週は大統領就任式にくぎ付けとなりました。

2度目の大統領に返り咲いたトランプ氏はどのような政策を打ち出してくるのか。この1点を世界が固唾を飲んで見守っています。

結果的にはトランプ大統領の就任演説、初日の大統領令を見る限りでは、警戒された世界一律の関税の発動は見送られ、一部で噂されていた中国への高関税も当初の60%ではなく現時点では10%と低い税率にとどまっています。最悪の内容からはかなり距離があり、比較的穏やかなものでした。

就任から100日間はメディアも厳しい論評を避ける「ハネムーン期間」とされており、トランプ大統領自身もスロースタートでまだ本気ではないところもあります。このまますんなり物事が運ぶとは思えませんが、現在のところ世界のマーケットはほっとしているようです。

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米国の長期金利はいったん低下方向に向かい、為替市場でもドルは155円台で推移するように、極端な円高にも円安にも振れていません。

株価はさらに安定しており、S&P500はいち早く史上最高値を更新しました。ドイツ、イギリスの株価も堅調で、年明けから軟調だった日本の株式市場も戻り歩調を強めています。

「胸をなで下ろした」どころではありません。就任2日目の現地火曜日は、ソフトバンクGの孫正義会長、オラクルのラリー・エリソン会長、オープンAIのサム・アルトマンCEOを従えてトランプ大統領は記者会見に臨み、AI分野に5000億ドル、78兆円もの巨額の投資計画をぶち上げました。

大統領就任式に巨大テクノロジー企業の経営陣が勢ぞろいするという光景もそうですが、最先端テクノロジーを前面に打ち出すトランプ氏は大きなサプライズをもたらしました。「スターゲート」計画というプロジェクト名も、レーガン政権時の「スターウォーズ」計画を彷彿とさせます。

強面の関税や移民規制とは別に、ソフトなテクノロジー戦略を打ち出したことにマーケットは二重、三重に驚かされました。

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日本では火曜日の早朝に大統領就任式の様子が伝わってきました。初日はぎくしゃくしたものの日経平均はしっかりと続伸し、そして水曜日は「スターゲート」計画の発表で半導体株が全面高となり、日経平均も大きく上昇しました。

そして木曜日から本格的に「トランプ2.0」の評価が始まったものと見られます。昨年暮れに株式市場の中心だった三菱重工(7011)、日立(6501)、任天堂(7974)、ソニーグループ(6758)、コマツ(6301)などの主力銘柄に、警戒感から逃げていた投資資金がリスクオンで再び戻り始めている様子です。

金曜日にはもうひとつの注目材料、日銀の金融政策決定会合の結果が伝わり、銀行セクターが上下に神経質な動きとなりました。

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ここでも結論として政策金利は0.25%引き上げられ、大手銀行はさっそく預金金利を0.2%引き上げました。

マーケット上はプラス、マイナスいずれも目新しい反応は少なく、むしろ日経平均をはじめ株価指数は週末一服となって週末の取引を終えています。為替市場もそれ以前の変動に比べて目立った動きはなかったように見られます。

日本では週末から通常国会が始まりました。石破首相が施政方針演説を行い、こうしてあわただしい1週間が過ぎました。政治面と金融政策面で大きな変化があった1月第3週から、いよいよ2025年相場は本格的なスタートしたと言えそうです。

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先週の東京株式市場は、TOPIXは4週ぶりに反発しました。年明け後では初めての週間での上昇です。上昇率は+2.67%に達し、前の週の▲1.28%の下落を早くも取り返しました。

規模別では、大型株指数の上昇が最も大きく+3.02%の値上がりとなりました。中型株指数+1.95%、小型株指数+1.99%もそれぞれ堅調ですが、上昇率では大型株指数に届きません。

スタイル別の株価指数では、大型グロース株が+3.51%に対して、大型バリュー株は+1.98%にとどまっており、金利上昇の割にグロース株の上昇が目立っています。半導体セクターが軒並み高となっている影響がこの点に現れています。

騰落レシオは80%台がしばらく続いたあと、週末には91.17%まで上昇しました。日経平均のサイコロジカルラインは「5」に上昇しています。

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TOPIX-17業種の騰落は、値上がりセクターは15業種に広がり、一方で値下がりセクターは2業種にとどまりました。前の週と正反対の展開です。

値上がりの上位セクターは「鉄鋼・非鉄」、「機械」、「電機・精密」です。データセンター関連株や半導体セクターが広範囲に上昇しました。

値上がりトップは「鉄鋼・非鉄」です。引き続きフジクラ(5803)、古河電工(5801)、住友電工(5802)の電線株が人気です。

それ以外でも神戸製鋼所(5406)、JFEホールディングス(5411)、愛知製鋼(5482)など他の鉄鋼株が意外なほどの強さを示しています。ただし日本製鉄(5401)は話題は豊富なのですが、株価は少し出遅れています。

上昇第2位は「機械」です。ディスコ(6146)が週初からにぎわいましたが、週末には決算発表を受けて株価が軟化しました。

ディスコに少し遅れて三菱重工(7011)が物色の輪に戻ってきました。

それ以上に目立っているのがアマダ(6113)、やまびこ(625)、ナブテスコ(6268)やコマツ(6301)、日立建機(6305)など、機械セクターの本流の銘柄群です。物色対象が次第に広がりつつあります。

値上がり第3位の「電機・精密」では日立(6501)、東京エレクトロン(8035)、三菱電機(6503)、シンフォニアテクノロジー(6507)の半導体関連株が堅調でした。

加えてファナック(6954)、安川電機(6506)、ヒロセ電機(6806)、日本航空電子(6807)、ニチコン(6996)もしっかりしています。電機セクターの物色の範囲が一段と拡大しています。

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反対に値下がりセクターのトップは「エネルギー資源」でした。

トランプ大統領がOPECに原油価格の引き下げを求めたことから、INPEX(1605)、

(後略)

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鈴木一之