C&Fロジホールディングス(9099)巡る買収合戦
最近、上場企業によるM&A(企業の合併や買収)やTOB(株式公開買い付け)のニュースを耳にしない日はありません。2024年前半で最も印象に残ったTOB案件は、C&Fロジホールディングス(9099)に対するSGホールディングス(9143)からのTOBです。

C&Fロジは低温食品物流の大手です。この案件は当初、AZ-COM丸和ホールディングス(9090)がSGよりも先に、C&Fロジに対してTOBを提案していました。TOB価格は1株当たり3,000円でした。

買収される側のC&FロジもこのTOBに合意しており、すんなりと事態が進むとみられていましたが、そこにSGがTOB価格1株5,740円を提示して、後から割って入る形となりました。結果としてはC&Fロジも後出しのSG案に乗り換える形で決着し、買収金額は最終的に1200億円強まで膨らみました。

C&Fロジは2015年に、チルド物流に強い名糖運輸と冷凍食品輸送を得意とするヒューテックノオリンが統合してできた会社です。

一方のAZ-COM丸和は「桃太郎便」で知られる物流の大手企業です。今回のTOBは断念せざるを得ませんでしたが、今後も低温食品物流の分野に進出する意向を持っています。