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2024年6月25日

エヌビディアのための1週間、日経平均は膠着、小型株が徐々に人気化

鈴木一之

鈴木一之です。関東地方もようやく梅雨入りしました。平年より14日遅いそうです。

さっそく今週の東京地方は天気予報では雨、雨、雨の様子となっています。雨の少なすぎる梅雨も困りますが、多すぎる雨もまた困りものです。海外から日本に来ている外国人の観光客さんには無常の雨となりますね。

先週はニュースが非常に多かったので、その辺は後回しにして、最初に株式市場の状況からお伝えします。

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先週の東京株式市場は、TOPIXが続落しました。3週連続での下落となり、昨年12月末以来の続落記録です。

それでも先週の下落率は▲0.80%にとどまっています。前週の▲0.31%、さらにその前週の▲0.63%と同じく、小幅の下げが続いています。

NY市場ではナスダックが7日連続して史上最高値を更新するという好調さが維持されていますが、東京市場にはその恩恵は今のところ少ないようです。日経平均はガチガチの膠着状態が続いています。

規模別指数では、大型株が▲0.84%で3週連続の下落となりました。堅調だった小型株も先週は反落しており、▲0.32%と軟調でした。

スタイル別では、引き続きバリュー株が軟調です。▲1.20%と下げ幅が加速して大きくなりました。グロース株もマイナスですが、前の週に続いて▲0.37%と下げは小幅にとどまっています。米国では長期金利の低下が始まっており、徐々に小型のグロース株に物色のホコ先が向かい始めています。

騰落レシオは木曜日に106.17%まで上昇した後、週末は102.69%で終わりました。引き続き上昇と下落の中間である100%付近で推移しています。日経平均のサイコロジカルラインは「6」~「7」に水準を少し切り上げ、週末は「7」で引けました。

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TOPIX-17業種のうち、値上がりセクターは3業種に減少し、値下がりセクターは14業種まで増えています。

値上がりしたセクターは「情報通信・サービス」、「金融(除く銀行)」、「医薬品」にとどまりました。

「情報通信・サービス」はこのところ出遅れていたセクターと言ってもよい存在です。ソフトバンクG(9984)が半導体関連株として再評価する気運が高まっています。

同じようにサイボウズ(4776)、NRI(4307)、日鉄ソリューションズ(2327)、SCSK(9719)、ゼンリン(9474)、GMOPG(3769)なども久ぶりに物色の中心に登場しました。一方でNTT(9432)、KDDI(9433)はまだ軟調な動きが見られます。

値上がり第2位の「金融(除く銀行)」も、リースのオリックス(8591)や生損保の東京海上HD(8766)、第一生命HD(8750)が堅調でした。全保連(5845)や公開直後のポストプライム(198A)など小型株の堅調さも影響しているように感じられます。

小型成長株の動きがかなり活発化するようになっています。

反対に値下がりセクターの上位には「不動産」、「電力・ガス」、「エネルギー資源」が登場しました。

不動産セクターは三菱地所(8802)、住友不動産(8830)、野村不動産HD(3231)のように、いずれも最近まで物色の中心にあった大型株に軟調な動きが継続して見られます。電力株も総じて下落しました。

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先週は週明けから荒れ模様の相場展開となりました。週初の月曜日、日経平均は朝方から一時▲800円安を記録する軟調な値動きでした。フランスではマクロン大統領が欧州議会選で極右勢力が躍進した結果を受けて、国民議会の解散を発表しています。

これによってフランスはパリ五輪の直前という大事な時期に総選挙を実施することとなり、極右の国民連合が躍進する公算が高まっています。

仮にフランスで急進右派勢力が議席数の多数を占めるようになれば、大衆迎合的な財政拡張政策が採られる恐れが生じます。財政規律を求めるEUの厳しい規制に抵触する恐れがあり、国債市場でのフランスの信用格付けに影響が出てきそうです。

その欧州では、ロシアのプーチン大統領が24年ぶりに北朝鮮を訪れて金正恩総書記と会談を行いました。両首脳は「軍事同盟」とも見られる「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結しました。

今回のロシアと北朝鮮による新たな条約の締結が、すぐに世界に対して影響を与えることはないと見られます。しかし西側世界での極右政党の躍進と合わせて、ロ朝間の新たな同盟関係が地政学リスクを一段と高めることは間違いないと見られます。

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日本ではかなりの混乱を招いた末に改正政治資金規正法が参院を通過して成立しました。改正法の成立にあたって自民党内部の分裂がはっきりとし、唯一派閥を存続させた麻生派と岸田首相との間に確執が生じる結果となりました。

通常国会が閉幕して国内政治は9月まで長い夏休みに入ります。結局、岸田首相は通常国会終盤での解散・総選挙に踏み込むことができずに、9月の自民党総裁選に臨むことになりました。派閥の霧消した自民党からは岸田首相の対立候補がどれだけ出るのか、まるで見通しが立ちません。

東京都では小池百合子氏が3選目に挑む東京都知事選が告示されました。過去最大の56人が立候補し7月7日の「七夕決選」に臨みます。

立候補者の数は多いのですが、本当に投票したい人が果たして何人いるのか、いずれ避けられない首都圏直下型大地震に際してリーダー足り得る人物がどれほど含まれているのか。1000万都民の良識が問われます。

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世界中の市場参加者の耳目はナスダックに集中しています。ナスダックというよりも、中心は言うまでもなくエヌビディアです。

とうとうエヌビディアの時価総額が3兆ドルを超えて、トップのマイクロソフトを抜いて米国の首位となりました。NY市場のトップということは世界のトップということです。株式市場の大谷翔平です。

その前の週にアップルが「iPhone」に「ChatGPT」を搭載すると発表して株価が上場来高値を更新したばかりですが、アップルとマイクロソフトとの3つ巴の展開となりつつあります。

エヌビディアの主要製品は

(後略)

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鈴木一之