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2019年10月22日
テクノロジー株から物色対象がさらに拡大
◎日経平均(21日大引)22,548.90(+56.22、+0.25%)
◎NYダウ(21日終値)26,827.64(+57.44、+0.21%)
鈴木一之です。10月、下半期相場のスタート月間も早くも終盤戦に入りつつあります。本日は天皇陛下の「即礼正殿の儀」の祝日です。
週明けの米国市場は、NYダウが堅調で先週末の▲250ドルの下落を少し取り戻しました。米国、アジアで決算発表が相次いでおり、それにつれて株価が動き始めました。今週はいよいよ日本でも3月決算企業の中間決算が始まります。
先週の日経平均は年初来高値を更新して堅調な動きを続けています。前の週に米中貿易協議が部分合意に至ったことがその後の株高を演出しています。
米国では半導体SOX指数が再び史上最高値に迫っており、10月15日に記録した1625ポイントまであと5ポイントという位置につけています。
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現在の世界経済を取り巻く外部環境は、不透明の度を一層強めています。米国と中国の経済環境は減速傾向を強めています。その原因の一端となっているのが米中貿易摩擦の激化による世界の貿易量の減少です。
その点が米中双方ともわずかに緩和する方向に向かっています。一方で日韓関係の悪化は何も改善しておりません。ペルシャ湾情勢は緊迫の度合いを強めており、日本国内では小売、サービス業を中心に人手不足と物流費のコスト圧迫が企業業績を直撃しています。
消費増税に伴う駆け込み需要とその後の反動減も、そろそろと影響を及ぼし始めています。それらがすべて合わさって国内企業の業績悪化懸念が強まっています。
海洋プラスチック問題は簡単には解決策が見えず、食品ロスの問題へも市民の意識が高まりつつあります。日本では国民1人が1年間に摂取するコメの量(54キログラム)とほぼ同じ量(51キログラム)の食品が廃棄されているそうです。
それらすべてを吸収した上で、先週は日経平均が年初来高値を更新しました。令和の時代の最高値でもあります。
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「なぜ今、高値更新なのか?」という問い合わせが多く寄せられます。昨年9月も「不思議の株高」が起こりました。あれよあれよという間に日経平均は24,000円まで上昇しましたが、10月に入ってすぐに値を崩しました。
その時はペンス副大統領によるハドソン研究所での講演、いわゆる「新冷戦宣言」がマーケット心理を急速に冷やしたこと、およびパウエルFRB議長が中立金利の概念を持ち出して利上げ継続をマーケットに実質的に宣言したことが嫌気されました。
今回も「不思議の株高」となってしまうのでしょうか。このすぐ後に大きな下落が待っているのでしょうか。個々の銘柄の株価動向を見ている限りでは、今回の株価上昇はかなり本格的なものになりつつあるように感じられます。
今回の株価上昇の特徴は、半導体および電子部品株の上昇にあります。週明けの月曜日は、先週末の急騰による買い継続と連休の谷間での売り急ぎもあって、日本の電子部品株の多くは「寄付き天井」の形となりました。太陽誘電(6976)が好例です。
産業界ではいよいよ実需の盛り上がりが始まっている模様です。世界が注目する5Gの通信規格は、すでに商用化サービスを開始した米国と韓国に続いて、いよいよ中国でも開始されます。日本をはじめ大多数の先進国は2020年春からとなっていますが、半年後のサービス開始に向けて、おそらくどの企業の生産ラインもフル稼働の状態にあると想像されます。
その一端が現れたのが、ファーウェイとTSMCの四半期決算です。ファーウェイは予想に反して1-9月期の売上高が+24%の増収となりました。TSMCは5四半期ぶりの増益を記録しています。このニュースが世界中のテクノロジー企業の株価をおおいに刺激しています。
米国ではラム・リサーチ、ASLM、KLAコーポレーションという、代表的な半導体製造装置3社が史上最高値を更新しました。日本でも半導体関連株は大手から日に日に中小型株にまで物色の広がりを見せています。大倉工業4221、ラサ工4022、三菱ガス化学4182、ステラケミファ4109、JSR4185など半導体部材メーカーが一斉に買われています。
さらに特徴的なのは、半導体や電子部品株ばかりでなく、内需株、景気敏感株、小型成長株にまで物色対象が広がっている点です。
内需株では人材派遣会社に再び脚光が当たりつつあります。ディップ2379、
(後略)