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2025年3月18日
日経平均は週間で4週ぶりに反発、週末の終値で37,000円台を回復

鈴木一之です。リスク資産に対する激しい売り圧力がどうやら一巡しつつあります。日経平均は週間ベースで4週ぶりに陽線を出し、前週末比でプラスとなりました。春到来といったところです。
今年も「3.11」がやってきました。東日本大震災から14年が経過し、時の流れの早さを実感するとともに、心のどこかで時計の針が止まったままという部分も感じます。
その3月11日(火)に日経平均は週の安値、35,987円を記録しました。
先週の日経平均の動きは以下の通りです。
・3月10日(月):37,028円(+141円)
・3月11日(火):36,793円(▲235円)
・3月12日(水):36,819円(+26円)
・3月13日(木):36,790円(▲29円)
・3月14日(金):37,053円(+269円)
その前週と同じく、1週間で上昇した日が3日あり、下落した日が2日でした。1週間の勝敗は3勝2敗で2週間とも同じです。
それでも前の週は下げ基調が強く感じられた一週間でしたが、反対に先週は持ち直しの機運が高まっているように感じます。印象はまったく反対です。
その理由としては、繰り返されるトランプ関税のアナウンスやウクライナ停戦交渉の期待値の低下など、考えられるネガティブ要素をかなり織り込んできたことが挙げられます。
無理に明るい展望を描く必要もなく、悪い部分をすべて織り込んでしまえば、あとは浮力に頼るだけでも株価は浮上することができます。荒れ模様の相場状況はしばらく続くでしょうが、それを覚悟した上で経済は前に進もうとしています。
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先週は週明けから波乱の幕開けとなりました。米国では月曜日にNYダウ工業株が一時▲1100ドルも大幅に値下がりしました。
この日は終値でもNYダウ工業は▲890ドルも下落し、S&P500(▲2.7%)は昨年12月18日の▲2.9%以来の下げ幅を記録しました。
きっかけはトランプ大統領がインタビューに応えて、関税の引き上げによる「短い移行期間」にあり、景気後退の可能性を否定しなかったことが原因とされています。
この日だけでテスラの株価は一時▲16%も下落しました。イーロン・マスク氏率いるテスラの不買運動が広がっていることが主因とも見られています。中国が米国産の大豆など農産物に最大15%の報復関税を発動させたことも嫌気されました。
S&P500は200日移動平均線を下回りました。半導体のSOX指数はさらに下げがきつく、デッドクロスが出現しました。ゴールドマン・サックスは今年末のS&P500の目標値を、これまでの6500から6200に5%引き下げています。指数構成銘柄の一株利益の見通しを引き下げたためです。
株高の最終的なよりどころであった企業業績にも見直しの機運が生じており、これらによって米国株は調整局面入りが濃厚となりつつあります。安全資産への逃避が一段と活発になり、金(きん)は史上初めて3000ドルの大台を突破しました。
インフレと景気後退が共存する「スタグフレーション」の懸念が次第に高まっています。FRBの金融政策のかじ取りがますますむずかしくなり、今週のFOMCにおけるステートメントやパウエル議長の会見には、これまで以上に投資家の目が集まることになりそうです。
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先週の東京株式市場は、TOPIXが続伸しました。上昇率は+0.27%ときわめて小さかったのですが、2週続けて上昇したのは1月下旬以来のことです。
規模別では、大型株指数が+0.10%と小幅な上昇にとどまっています。それに対して中型株指数は+0.71%、小型株指数は+0.26%と、わずかですが中・小型株優勢の展開が続いています。
出遅れていた東証グロース株250指数は+4.48%と大きく3週ぶりに反発しました。
スタイル別の株価指数では、小型バリュー株が▲0.04%と小幅に反落する一方で、大型バリュー株は+0.47%と相場全体をリードしました。大型グロース株は+0.05%の小さな上昇にとどまっています。
騰落レシオは100%台を3日間続け、週末は100.62%で引けました。日経平均のサイコロジカルラインは2月27日以来の「7」に上昇しています。
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TOPIX-17業種の騰落では、値上がりセクターが12業種、値下がりセクターは5業種となりました。引き続き値上がりセクターが優勢の状況です。
値上がり業種のトップは「銀行」です。日本でも長期金利の上昇が続いており、国債指標銘柄の流通利回りは週前半は1.57%まで高まりました。
今週の日銀・金融政策決定会合では、政策金利は「現状維持」となる公算が強いと見られますが、金利の先高観は依然として強く、銀行セクターに投資資金が早くも戻っています。
リスク回避で下落したメガバンク3行がいずれも堅調さを取り戻し、りそなホールディングス(8308)を筆頭に地銀株も総じて値を戻しました。中でも、いよぎんHD(5830)、しずおかFG(5831)、京都FG(5844)、コンコルディアFG(7186)、ひろぎんHD(7337)、千葉銀行(8331)、群馬銀行(8334)があらためて買い直されています。
ネット銀行の楽天銀行(5838)は上場来高値を更新しました。
値上がりセクターの第2位は「エネルギー資源」、第3位は「電力・ガス」です。
世界経済の不況入りを恐れて、原油価格は軟調な動きをたどっています。WTI先物価格は週末に67.19ドルまで低下しました。それでもエネルギー株では出光興産(5019)が先導する形で、INPEX(1605)、石油資源開発(1662)が堅調です。
目先の景気動向での下落基調ではなく、ゴールドの上昇と同様に、より長期の視野に立った資源価格の動向が評価されているように感じられます。
値上がりセクターの第3位は「電力・ガス」でした。中部電力(9502)、中国電力(9504)、四国電力(9507)、Jパワー(9513)の電力株が週を通じて堅調でした。電力株は原油安をメリットとしてとらえ、エネルギー輸入に有利に働く円高局面でも評価されやすいセクターです。
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一方の値下がりセクターのトップは「情報・通信、サービス」でした。前週まで堅調だったSCSK(9719)、TIS(3626)、オービック(4684)、大塚商会(4768)が反動で高値圏でもたつき気味となりました。
それに対して、好決算を発表したANYCOLOR(5032)が翌日にはストップ高まで買われ、ビジョナル(4194)も同様に急騰しました。
メルカリ(4385)、ボードルア(4413)、LINEヤフー(4689)、デジタルガレージ(4819)などIT系、ネット系成長株にも勢いが戻りつつあります。
値下がりセクターの第2位は「自動車・輸送機」です。自動車に対するトランプ関税の細目が判明する4月2日までは動きがとれず、トヨタ自動車(7203)、デンソー(6902)、ホンダ(7267)あたりは小動きで終始しました。
それでも防衛関連の川崎重工(7012)は
(攻略)
