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2020年5月6日
日経平均は2万円の大台を一時回復、景気敏感株の流れが見え隠れ
◎日経平均(1日大引):19,619.35(▲574.34、▲2.84%)
◎NYダウ(1日終値):23,723.69(▲622.03、▲2.55%)
鈴木一之です。風薫る5月となりました。米国では雇用統計ウィークが始まります。
先週末のマクロ経済データは、3月の米国の個人消費支出が前月比▲7.5%のマイナスでした。予想の▲5%を大きく下回っています。4月のシカゴ購買部協会・景気指数も11年ぶりの低水準となりました。
米国の株式氏市場は先週末にかけて、NYダウが木曜日▲288ドル、金曜日▲622ドルと軟化しました。このうちのどこまでがマクロ経済統計の悪化による下げで、どこまでが週前半に好調だった半導体関連株の軟化が影響しているか、判断が分かれます。
米国の4月の新車販売台数は前年同月比▲52%の減少でした。3月の▲42%から拡大しています。自動車各社は5月中旬から工場での生産を再開する予定なので、5月分も落ち込みは避けられない見通しです。
経済の低調さを受けて、米国の新規失業保険申請件数は383万件にのぼりました。ここまでの6週間の合計で申請件数は3000万件を超えています。今週末に発表される雇用統計の内容が気がかりです。
世界中で人々の外出が抑制されており、ショップやレストランではまだ閉店が続いています。マクロ経済データ上で厳しい数字が出てくるのはやむを得ないところです。
インテルが決算見通しを撤回しました。インテルの動向にかつての全盛時の指標性は失われて久しいのですが、それが東京エレクトロン(8035)の決算につながり、週末は世界中で半導体株が下落しました。(東京エレク、2020年3月期の売上高▲12%、営業利益▲24%、2021年3月期は未定)
安川電機6506、オムロン6645、ファナック6954、イビデン4062、アドバンテスト6857、日本電産6594、と好調だっただけに、東京エレクの株価の反応は失望感につながりかねません。
先週も株式市場は景気敏感株の動きが気になりました。特に目立ったのが非鉄、機械、化学、海運株です。木曜日までおおむね良好でしたが、金曜日の下げでそれまでの上昇がほぼ打ち消されてしまいました。まだしばらくはこうした一進一退の動きが続きそうです。
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注目したい内容がいくつも明らかになってます。箇条書きにすると次のとおりです。
・TOBの回復(野村総研によるだいこう証券ビジネスへのTOB)
・プリント配線基板の堅調さ(JCU4975、ピーバンドットコム)
・経済の正常化への歩み(イーレックス9517、システムリサーチ)
・ソフトウェア各社(OBC4733、シーティーエス4345)
・クラウド、データセンター、ロボット、電子部品、
今の株価には「ダマシ」がかつてなく多いように感じられます。AI運用が全盛となった影響なのでしょう。
リーマン・ショックを経験している各国首脳は、リーマン・ブラザーズのような超大型の経営破綻だけは出さないよう、細心の注意を払って経済政策の運営に取り組んでいます。それがかえって仇となって、来たるべき下げや経営上の破局が来ないのかもしれません。
あるいはすでに株価の上で葉破局的な下げが来ているのですが、なかなか買いの号砲がなりません。わかりやすい上昇への転機というのは訪れないままに、気がつけば元の水準に戻っているという動きをとることも考えられます。
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株式市場は楽観と悲観を繰り返すサイクルに入っているようです。感染者数の急増が総悲観につながるという段階は徐々に脱しつつあります。
欧米諸国が経済活動の一部を再開すると聞いてはマーケットに楽観的なムードが広がり、「レムデシビル」をはじめコロナウイルスの治療薬の開発が成功しそうとのニュースが流れればさらに強気になります。
ただしそれも長続きはせず、ほんのちょっとしたことで下値をうかがうような不安定さを見せています。「5月は売り」という相場格言が意識されているのでしょうか。一進一退を繰り返しているというのが現状です。
それでも懸念事項はひとつずつ埋められています。OPECプラスが実際に減産を開始したために、原油価格は小康所帯を取り戻しました。ただし肝心の需要サイドの増加にはまだ明確な展望が描けません。
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先週の東京市場は、TOPIXが小幅反発しました。大型連休を前にしてキャッシュ化の動きが広がり週末には軟調な動きが目立ちましたが、週前半の堅調さで貯金ができました。
マザーズやジャスダックなどの新興市場は堅調を続けています。大きく下落した分だけ戻りも大きくなっています。東証マザーズ指数は4週連続で上昇しました。外出自粛でネット関連企業のビジネスが広がっており、
(後略)