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2023年4月19日

金融システム不安、景気後退リスクが遠のき日経平均は6連騰

鈴木一之

鈴木一之です。春爛漫です。

海外からの観光客の人々が日を追って増えているように感じられます。そればかりか日本人観光客の人たちも全国で急増しているようです。

「旅行割」の効果はてきめんで、観光地はどこも大賑わいです。個人消費の動きはますます活発になってきました。それが日本の景気を押し上げています。

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先週は街角の景気を測る「景気ウォッチャー調査」が各方面で注目されました。

4月10日(月)に内閣府から発表された3月の景気ウオッチャー調査では、現状判断DIが53.3(+1.3)となり、2か月連続で改善しました。分岐点の「50」の水準も2か月連続で上回っています。

消費動向調査も+2.6ポインと上昇しており、コロナ禍からの消費の回復がはっきりと見て取れます。これらを受けて内閣府は、景気の基調判断を2月の「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」に2か月続けて引き上げました。

ほんの1週間前は米国を中心に、景気の後退リスクが強く意識されていました。FRBはインフレ抑制のために金利を急激に引き上げて景気の勢いを弱めようとしているのですが、実際に統計データの上で景気のスローダウンが確認されると、それがリセッション懸念に直結してしまいます。

ISM景況感指数などが悪化して、分岐点の「50」の大台を下回ると、それだけで株価が下落します。4月第1週はそういう時間帯でした。それが4月第2週には逆転し、景気のよさがそのまま株価の上昇につながっています。

気がつけば西側世界は「世界同時株高」の様相となっています。フランスのCAC40指数は史上最高値を更新。ドイツのDAX指数も昨年暮れに記録した最高値にひたひたと迫っています。出遅れ気味のイギリス・FTSE100も安定した上昇基調にあります。

もたついているのは米国市場だけのような気がしますが、こちらはむしろ先行して上昇していて、現在はその調整期を迎えているだけなのかもしれません。

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その米国から「相場の神様」ウォーレン・バフェット氏が来日しました。東日本大震災の直後、2011年以来の来日だそうです。それだけで日本中が大騒ぎとなりました。

メディアのインタビューに答えてバフェット氏は「日本株を買い増しする」意向を明らかにしました。すでに保有している総合商社5社が中心となりますが、それ以外にも投資対象がいくつかあるそうです。それを聞いて株式市場はまた沸きかえりました。

総合商社は連日のように大商い急騰。つれて日経平均も毎日のように上昇して、ついに今年初めての6連騰を記録しました。

バフェット氏の効果ばかりではありません。小売企業を中心に2月、8月決算の企業業績がかなり好調です。ファーストリテイリング(9983)、ローソン(2651)、トレジャー・ファクトリー(3093)など、業績の好調さに株価が素直に反応して大幅高となる銘柄が増えています。

日本は割安かつ好業績の企業であふれています。円安ということもありますが、海外投資家から見ると投資対象としては実に魅力的に映るようです。好事魔多しであまり楽観に偏るのは危険ですが、日経平均の上値余地がずいぶん広がってきたように感じられます。

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先週の東京株式市場は、TOPIXが反発しました。上昇率は+2.45%に達し、前の週の下落率(▲1.90%)を上回りました。日経平均と同じくTOPIXも6連騰となっています。

規模別では大型・中型・小型株すべてがまんべんなく反発しました。大型株が上昇すると通常は小型株は影に隠れてしまうものですが、先週はそのようなことはなく幅広い上昇が見られました。東証マザーズ指数も5連騰で4週ぶりの上昇です。

スタイル別ではバリュー株、グロース株がそろって反発しました。どちらも上昇していますが、グロース株がわずかにバリュー株の上昇を上回っています。

日経平均採用銘柄のうち、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っている銘柄数は107銘柄となりました。前の週に比べて▲5銘柄の減少です。採用銘柄(225銘柄)全体の48%を占めています。

テクニカル面では騰落レシオは105.39%とわずかに上昇しました。日経平均が連騰している割に騰落レシオの上昇は抑えられています。日経平均のサイコロジカルラインは「9」に上昇したまま、4日間その状態を保っています。日経平均ボラティリティ指数は低下しました。

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TOPIX-17業種のセクター別騰落では、17業種のすべてが値上がりしています。値上がり率の上位は「商社・卸売」、「小売」、「エネルギー資源」です。

反対に上昇の鈍いのが「自動車・輸送機」、「銀行」の大型株、そしてディフェンシブ的な「食品」でした。

値上がりトップの「商社・卸売」は、話題集中の総合商社が人気の中心です。三菱商事(8058)、三井物産(8031)、伊藤忠(8001)、丸紅(8002)、住友商事(8053)が軒並み物色されました。

今期も史上最高益を更新する業績の好調さに加えて、事業展開の広さ、エネルギー価格への感応度の高さ、ダイバーシティを重視した先端的な組織運営など、商社を評価するポイントはいくらでもあります。

大手商社ばかりでなく、岩谷産業(8088)、

(後略)

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鈴木一之