ブログ

2025年1月7日

2024年大納会、日経平均は年間の終値で史上最高値で越年

鈴木一之

鈴木一之です。大納会の1日だけですが、立ち合い日数が1日だけでも週足は週足ですのでコメントします。

東京市場は2024年の大納会を迎えました。先週末に日経平均が4万円の大台に乗せて引けたので、あわよくば「史上初の4万円台で越年」と期待したのですが、さすがにそれは欲張り過ぎでした。

12月30日(月)の株価は年末ぎりぎりの利益確定売り、長期の正月休み入りを前にしてのポジション圧縮の動きもあって、朝方から軟調な値動きに終始しました。

それでも日経平均は39,894円54銭で引けました。年間の終値ベースとしては史上最高値を更新しています。終わりよければすべてよし。4万円の大台にかぎりなく近づいての引け値となった現在の流れを引き継いで、年明け以降の相場にも期待したいものです。

@@@@@

ただし浮かれてもいられません。日本と米国とでは年末年始の休暇がかなり異なっており、来週月曜日の大発会までに何が起こるかわからないという不安感も漂っています。

悲劇的な航空機事故がアゼルバイジャン、韓国で続けて起こっており、その韓国では親日派のユン・ソンニョル大統領に拘束令状が出されました。

サイバーセキュリティ攻撃も日本航空、三菱UFJ銀行、りそな銀行、みずほ銀行を標的に立て続けに発生しています。秋田新幹線は停電で立ち往生しました。能登半島の被災地も1年が過ぎてなお厳しい冬を迎えています。

大発会の引け後の先物市場は、現物との比較で▲500円前後も下落しています。

災害や犯罪への対策はどんなに強化してもそれを打ち破る動きが必ず出てきます。ますます物騒な世の中になってきただけに備えを怠るわけにはいきません。何ごともなくお正月休みを終えて、年明けの大発会を無事に迎えられることを願うばかりです。

@@@@@
@@@@@

大納会の株式市場は、TOPIXは2週ぶりに反落しました。ただし1日だけの値動きだったので下落率は▲0.60%の小幅反落にとどまっています。前の週の上昇率(+3.69%)と比較するとかなり小さな下落です。

年末の手じまい売りが中心だったと見られ、大型株指数は▲0.69%の下落に対して、小型株は▲0.09%のマイナスにとどまりました。スタンダード市場は主要指数がプラスを維持しています。

スタイル別の株価指数では、大型グロース株が▲0.94%下げたのが目立っています。大型バリュー株は▲0.35%の下げにとどまりました。小型バリュー株は+0.10%とプラスを維持しました。

騰落レシオは107.27%とほぼニュートラル。その一方で日経平均のサイコロジカルラインは「4」まで低下しました。11月27日以来の低い水準です。

@@@@@

TOPIX-17業種の騰落では、値上がりセクターは2業種にとどまりました。反対に値下がりセクターは15業種に広がっています。その前の週に全セクターが値上がりした反動が出ているように見られます。

値上がり上位のセクターは「銀行」、「運輸・物流」、「鉄鋼・非鉄」となりました。いずれも小さな値動きにとどまっていますが、その中では鉄鋼セクターが他とは違った動きをたどりつつあるように見えます。

日本製鉄(5401)による米USスチール買収の話題にかき消されてしまいがちですが、他の主力鉄鋼メーカー、JFEホールディングス(5411)、神戸製鋼所(5406)、愛知製鋼(5482)、大同特殊鋼(5471)、日本冶金工(5480)などが一斉に底入れ反転に向かいつつあるようです。

鋼材市況が厳しい状況にあり、中国経済も大きな動きは期待しづらい環境にあって、鉄鋼メーカーの底入れ反転の動きは注目に値します。2024年相場ではほとんど期待されなかったセクターだけに年明け以降の動きは要注意です。

@@@@@

反対に値下がりセクターの上位には「電機・精密」、「情報通信・サービス」、「自動車・輸送機」が登場しました。こちらは2024年相場を通して動きが活発だったセクターばかりです。

自動車セクターは年後半は特に厳しい状況に置かれましたが、年末になって日産ーホンダの経営統合を筆頭に大きな変化が出てきました。

新年相場でも注目されるのは、やはり電機セクターです。生成AI向けのデータセンターや電力設備投資に直接関連する銘柄が集中しています。

同時に1年を通して動きの乏しかった電子部品株でも、日本航空電子(6807)、ニチコン(6996)、ミネベアミツミ(6479)のように、年末にかけて新たな動きが起こりつつあります。

半導体セクターがどこで底入れ反転するのか、という期待も含めてエレクロニクス業界の動きはここから3か月ほど要注目となりそうです。

@@@@@
@@@@@

「今年の日本株、十大ニュース(銘柄編)」をまとめてみました。

(1)生成AIブーム続く、電力設備投資にも直結(フジクラ、ダイダン)
(2)防衛関連株も持続的に上昇(三菱重、IHI、川重、シンフォニア)
(3)「推し活」人気も強い(サンリオ、タカラトミー、バンダイナムコ)

(4)日銀が政策金利を引き上げ(メガバンク、地方銀行、生損保)
(5)自動車業界の大型再編が表面化(ホンダー日産自ー三菱自)
(6)ニデック、牧野フライス製作所に同意なきTOB(来年に持ち越し)

(7)海外投資家の日本企業への関心が強まる(セブン&アイ、花王、西武)
(8)絶好調の米国景気が日本企業にも波及(リクルート、ソニー、任天堂)
(9)健康長寿への関心は高い(アシックス、ミズノ、キッコーマン)

(10)インバウンドは衰えず(三越伊勢丹、Jフロント、JR九州)
(番外)IPO人気が復活(東京メトロ、キオクシア、VISUMO)
(番外)業績不振の米企業の経営者交代(インテル、スタバ、ボーイング)

@@@@@

今年のTOPIX-17業種・セクター別の年間騰落率は以下のとおりです。

(1)銀行(+46.7%)

(後略)

日本株に関する情報をいち早くゲット!

ここでしか読めないメールマガジンを配信しています。
登録無料!

鈴木一之