ブログ

2019年11月18日

NY株式市場がまたもや最高値を更新

鈴木一之

鈴木一之です。1週間、1か月が飛ぶように過ぎてゆきます。11月も半ばを折り返しました。今週の水曜日は二の酉です。街にはクリスマスの飾りつけが増えてきました。

 

株式市場は引き続き米国市場を中心に動いています。NYダウはS&P500とNASDAQとともに週末に史上最高値を大きく更新しました。

 

米国の主要企業の決算内容は回復が鮮明です。夏ごろに長短金利が逆転した時に心配された景気の大幅な落ち込みも、どうやら避けられそうな見通しとなっています。FRBのパウエル議長の手腕が光ります。

 

昨年の今ごろは正反対のムードでした。中立金利を持ち出したパウエル議長への不信感に満ち溢れており、来たる2019年はいったい何度の利上げがあるのか、盛んに予想が打ち出されていました。

 

それが1年たってみると、1年で3度の利下げが実施されたのです。それが株式市場を押し上げています。

 

米国経済は大いに活気づいているかのような印象ですが、来年に迫った大統領選の候補者選びでは、特に民主党を中心に経済的弱者を重点を置いた社会主義的な政策が盛んに議論されています。

 

一見よさそうに見える米国経済も、実際のところはそれほどではない。職種による経済格差、地域による所得格差は覆い隠しようがなく、それが「適温相場」をもたらしています。

 

ここまでくると高所恐怖症というか、バブルの再来を心配する声もあちこちから聞こえてくるようになりました。とりわけ金融政策が緩和的な方向に戻ってしまったため、不動産価格の高騰に歯止めがかかりません。

 

バブルは破裂してみて初めて分かるもので、現在がそうだと断言できる人は誰もおりません。マーケットの心配事は依然として無数にあります。

 

先週はトランプ大統領の弾劾手続きに関心が集まりました。公聴会が開催され重要参考人が呼び出されましたが、弾劾に至るには上院で3分の2の議決が必要となるため、最終的にはトランプ大統領は弾劾には至らない、という見方が大半です。

 

トランプ大統領に関してはもうひとつ、ニューヨークでの講演に市場の関心が集まりました。対中国での貿易摩擦に関して前向きな言及があるのか、ないのか、それが市場の関心事のひとつでしたが、実際には肩透かしに終わりました。

 

それでも株価はほとんどマイナス方向の影響を受けません。週後半には側近のクドロー・NEC委員長が米中貿易交渉に関して前向きの発言をしたことが好感されて、史上最高値更新を大きく更新するに至っています。

 

@@@@@

 

日本の株式市場も堅調な動きが続きました。

 

出遅れ感の強かったTOPIXが先週から騰勢を強めており、火曜日まで6日続伸となっていたことから、週半ばからは多少調整ムードに入りました。ただしこれも、基本的にはここまでの上昇ピッチの速さを抑える値固めに入っただけとの見方が大勢を占めています。

 

決算発表が最終盤を迎えていたこともあり、物色対象がかなりランダムに分散する傾向がありました。それも先週末で一巡し、ここからは収益の好調さが確認された銘柄を中心に、新たなたて追い相場が始まる可能性が強くなっています。

 

業種別でも先駆した半導体、電子部品が一服するのに合わせて、出遅れていた小売株、食品株が循環的に買われました。

 

セクター間で循環物色が強まるのは、外国人投資家が前面に出てくるときの特徴です。世界経済に腰折れがないのであれば、日本株の組み入れ比率を引き上げる方向に動いていると見られます。

 

その証拠に、これまで戻りの鈍かった小型成長株にも資金が戻ってきています。規模別の株価指数でみれば、大型と中型株指数がマイナスで終わったのに対して、小型株指数だけは上昇して引けました。

 

ただ、東証マザーズ指数は続落しています。マザーズの有望企業はごく短期間のうちに東証1部に上場市場が変更されてしまうことが続いており、出来高面でもマザーズ市場に厚みが出てきません。

 

また長期金利の上昇が世界的に続いていることから、REIT市場が軟調です。前の週に10週ぶりに反落したREIT指数はそのまま続落しました。

 

セクター別では、「鉄鋼・非鉄」、「素材・化学」、「電機・精密」、「自動車・輸送機」が6週ぶりに反落しました。いずれも今回の上昇相場をリードしたセクターです。これらの上昇が一服したことで、日経平均やTOPIXなど株価指数の連騰に歯止めがかかったという状況です。

 

セクター別の騰落率で見ると、値上がりトップは「小売」でした。小売企業は2月決算のところが多く、一足先に決算発表を終えています。

 

その中から好決算が確認されたマツモトキヨシHD(3088)や

 

(後略)

日本株に関する情報をいち早くゲット!

ここでしか読めないメールマガジンを配信しています。
登録無料!

鈴木一之